名言厨です
なんとなくフワッと感銘を受けた言葉を書いていこうかと。
「怠け者の耳に入りやすいお言葉ですな。それでは、良薬ハ口ニニガシ、とか、艱難ナンジヲ玉ニス、という諺はどうなります」
「貴公は、諺で生きているのか」
と、継之助はふしぎそうに相手の顔をながめた。そういう人間の単純さのほうに興味をもったらしい。
「いくつくらいの諺を、頭にのせて生きている。二十ほどか。それとも百もあれば安心するのか」
「ばかな」
相手は怒りだした。しかし継之助はしゃらりとした顔で、
「諺なんざ、死物だぜ。世界中の諺を万とあつめたところで、どうにもならぬ」
「峠」 司馬遼太郎
でも私は一体に古い格言など好みませんの。その場限りに都合のいいことを云ってるだけで、一貫して我々の生活に責任をもってくれないと思いますから……。
「若い人」石坂洋次郎
うまい言葉の一言は、悪い本の一冊にまさる ジュール・ルナール
立派な箴言は、文学における大いなる逆説であり、、変化し行くものの中で不滅のものであり、ちょうど塩のように常に尊重されて不変の、利かなくなることのない食物である ニーチェ